フレンチドラマの主役になる日
プジョーに伝統の“40X”シリーズが帰ってきた。407が生産を終えてからしばらく本国でも日本でも欠番となっていたが、2022年に408がデビューし、およそ10年ぶりに復活した。ハッチバックやセダンを中心に展開されてきたプジョーの既存ラインナップにあって、408はその枠を超えて、まったく新しいカテゴリーとして作られている。クロスオーバーSUVとして誕生したこの新しいライオンは、果たしてどんな魅力を我々に見せてくれるのだろうか。
まるで短編小説かのように、408のデザインにはドラマがある。だからつい目で追って、最後まで見てしまうのだ。
しかしこのプジョー408というドラマは、実は見ているだけでは勿体ない、演じる側になるべきドラマでもある。主役となるあなたは、もちろんステアリングを握るドライバーの役だ。
プジョー408は、基本的な美質を共有しながらパワートレインを変えることで、軽快なICEとゆったりしたPHEVというふたつの個性を作り分けている。
理想的な実利主義
プジョー408のような、流麗なファストバックのフランス車はときに、デザイン重視で実用性を犠牲にしているように誤解されることもあるけれど、それは違う。こと408についていえば、使い勝手を高める工夫がそこかしこに練られており、デザインと実用性を見事に両立させているのだ。
華と実のあるデザインの伝統
これまでのプジョーにはなかったクロスオーバーSUVスタイルが目をひく408。実は、このユニークなデザインこそが“40X”を名乗るモデルの伝統とも言える。1934年の401から始まった、90年に渡る40Xデザインを振り返る。