100年に一度の大変革期、
プジョーは新しいエンブレムを掲げます


1810年、プジョー兄弟が家族で営む製鉄業を立ち上げました。プジョーのライオンのエンブレムは、発祥の地であるフランス東部フランシュ・コンテ地方の中核都市、ベルフォールの貴族の紋章に由来します。中世から紛争が絶えなかったこの地域では、人々はいつしか勇敢なライオンに思いを託すようになったのです。自社の鉄製品の強さや品質の高さを表現するために、プジョーはライオンのエンブレムを使うようになったとされています。
産業革命、技術革命、デジタル革命──。創業以来、プジョーはさまざまな変革を経験してきました。そしていま、自動運転化や電動化など、クルマを取り巻く環境は100年に一度の変革期にあります。ライオンのロゴとともに歩んできたプジョーは、時代の節目節目にエンブレムを変更してきました。そして2021年、この大変革のタイミングで、エンブレムも刷新されました。
新しいライオンのフォルムは、タイムレスかつ普遍的で、多様な文化に対応するアイデンティティとなることを意味します。この新しい紋章を掲げて、プジョーは新たな時代へと向かいます。
ライオンは進化を続けます
プジョーのエンブレムは、それぞれの時代に合わせて変化をしてきました。新エンブレムの登場にあたって、振り返ってみました。

プジョーは、19世紀後半から自動車の製造に乗り出します。1905年よりプジョーブランドのクルマのグリルに、矢の上を歩くライオンを飾るようになりました。

1923年に登場した2代目のエンブレムは、彫刻家のルネ・ボーディションが彫ったもの。このエンブレムは大人気となり、オーナーたちのプライドを満たしました。

この時代のエンブレムは、ライオンの頭部を強調したデザイン。1935年に流線型の「ソショー・ロケット」ラインが登場すると、エンブレムも変更されました。

第二次大戦後にプジョーが最初に発表した乗用車が203。このモデルには、フランシュ=コンテ州の紋章のライオンをエンブレムとして採用しました。

安全面を考慮し、1955年以降は立体的なエンブレムをボンネットに装着しなくなりました。ライオンの頭部に代わって、平面のエンブレムが登場します。

ピニンファリーナが手がけた美しいフォルムで人気を博したプジョー404。このモデルから、ライオンがたてがみをなびかせるデザインが採用されています。

プジョー504からエンブレムは薄型になり、色はゴールドまたはクロームメッキとなりました。それまでとは異なる、モダンで近代的な印象を与えます。

輪郭のみでデザインされた新しいエンブレムは、「ライオン・アウトライン」と呼ばれました。線を強調したシンプルな表現手法は、現在にも引き継がれます。

クロームで仕上げられたこのエンブレムは、素材の持ち味を活かして、より重厚感のある印象を伝えます。ミニマルでインパクトのあるエンブレムです。

艶出し加工を施した部分と、艶消し加工を施した部分が、鮮やかなコントラストを織りなします。これまで以上にダイナミックでしなやかなライオンです。