プジョー・リフターでグランドツーリング 瀬戸内アイランドホッピング!

広々とした室内スペースがリフターの大きな魅力であることは間違いありません。けれども、もしこのクルマにお乗りになったら、その快適さに驚かれるはずです。というのも、リフターの基本骨格はフラッグシップモデルのプジョー508と共通なのです。したがって、ミニバンや四角い形の働くクルマとは、乗り心地がまるで異なるのです。
リフターのそんな魅力を確認するために、ロングドライブに出かけました。しなやかな乗り心地と力強いディーゼルエンジン、そして先進的な運転支援装置のおかげで、東京から700km強の尾道まではあっという間。ここから海を渡ります。

瀬戸内海を渡る出発点は、広島県福山市の鞆の浦に定めました。鞆の浦の沖が瀬戸内のほぼ中心に位置するために、古来よりこの港町が海洋交通の要所となっていたとの故事にちなんだのです。

因島(いんのしま) はっさくの橙と灯台の白

本州側からしまなみ海道を走り、リフターは因島大橋を渡ります。橋の上ではかなりの強風が吹いていますが、リフターは矢のように直進します。そして橋を渡り終えるとそこは因島。
かつて瀬戸内海を支配した、村上海賊が拠点としていたことで知られる島で、因島水軍城は日本遺産にも認定されています。因島大橋をバックに大浜崎灯台を望むと、この白亜の灯台を目印に船が行き来していた様子が目に浮かびます。もうひとつ、この島は八朔(はっさく)の発祥の地としても知られています。いまや八朔は人気の果物として知られるようになり、八朔を利用したお菓子も因島の名物になっています。

八朔が色づくには少し季節が早かったので、お土産は、はっさく大福とはっさくゼリー。
はっさく工房まつうら
広島県尾道市因島田熊町4862-10
☎0845-23-7087
http://はっさく.com/index.html

生口島(いくちじま) 柑橘の畑と“映え”スポット

因島の次に現れるのが生口島。日本一のレモンの生産量を誇る島で、あちこちに柑橘類の畑を目にすることができます。また近年は、広島出身の彫刻家、杭谷一東が手がけた大理石の庭園「未来心の丘」の絶景も人気を集めています。

しまなみ海道のサイクリストたちからも大人気のレモンのジェラート。
ドルチェ 瀬戸田本店
広島県尾道市瀬戸田町林20-8
☎0845-26-4046
http://www.setoda-dolce.com
5000㎡におよぶ白い大理石の庭園。大理石のすべてがイタリアから運ばれたもの。
未来心の丘
広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田553-2
☎0845-27-0800
http://www.kousanji.or.jp/

大三島(おおみしま) アートとミュージアムの島

伊東豊雄建築ミュージアム
愛媛県今治市大三島町浦戸2418
☎0897-74-7220
http://www.tima-imabari.jp

大三島に渡ると、そこは愛媛県。地図の上では、四国に入ったことになります。愛媛県で最大の島になるので、島内をぐるっとひと回りするのは、なかなか走り甲斐のあるドライブです。
大三島のワインディングロードを、リフターは軽やかに駆け回ります。「i-Cockpit®」というプジョー独自の考え方でデザインされたインテリアの特徴のひとつが、小径のハンドルです。この小さなハンドルを操作すると、大柄なリフターが小気味よく走ります。山中で舗装の荒れた路面に遭遇しても、サスペンションが柔軟に伸び縮みして、路面からのショックをやわらげてくれます。
大三島の山道でありがたく感じたのは、ディーゼルエンジンの力強さ。8速ATとの連携プレーで、急勾配もぐいぐいと登ります。気持ちよく走ることができるこのエンジンは、「気はやさしくて力持ち」という表現がぴったりだと感じました。
大三島の目的地は、「伊東豊雄建築ミュージサム」と、やはり伊藤豊雄さんが設計した「岩田健 母と子のミュージアム」。大三島は、アート作品や建築で知的好奇心を刺激する島なのです。今回は宿泊はしませんでしたが、もし機会があれば「大三島 憩の家」を利用してみたいと思いました。こちらは廃校を利用した宿泊施設で、島の文化や歴史を身近に感じる宿泊体験ができるのです。

岩田健 母と子のミュージアム
愛媛県今治市大三島町宗方5209-2
☎0897-83-0383
https://www.city.imabari.ehime.jp/museum/iwata/

伯方島(はかたじま) 造船所に驚き、塩を味わう

主に中型船舶の建造を行うという、しまなみ造船。これが中型というのですから驚きです。

瀬戸内を渡る旅もいよいよ後半戦、大三島の次は伯方島に渡ります。この旅に連れ出したリフターは、豊富な装備を搭載する限定仕様の「GT Line First Limited」で、特別装備のパノラミックルーフからは明るい陽光が差し込みます。ほかにも、荷物満載の状態ではルームミラーを鏡からカメラに切り替えることで後方の視界を確保するフルディスプレイミラーや、雪道や砂地でもタイヤのグリップを確保するように働くアドバンスドグリップコントロールなど、「GT Line First Limited」には自動車旅行で活躍するさまざまな機能が装備されています。
しまなみ海道を走っていて感じるのは、それぞれの島がさまざまな表情を見せることです。伯方島に入ると、建造中の巨大な船舶に驚かされました。しまなみ海道の島では造船が行われていますが、なかでも伯方島は特に造船業が盛んなのです。
また、この島の「伯方の塩」も全国的に有名です。かつては塩田で塩をつくっていましたが、現在は島内で2つの製塩工場が稼働しています。もちろん、クルマエビの養殖や柑橘類の栽培といった第一次産業も行われていますが、伯方島は製造業の島なのです。したがって島内のドライブは、観光というよりも、どちらかといえば社会科見学の趣です。穏やかな瀬戸内の海の景色と、ダイナミックな工場の様子が対照的で、心に残ります。
船の大きさに驚いた後は、伯方島の塩を味わいます。「さんわ 伯方島本店」の塩ラーメンは、この島で生まれ育った2代目店主が、「瀬戸内を感じられる味にしたい」と開発したもの。見た目はシンプルですが、魚介の出汁と塩味の組み合わせが絶妙のコンビネーションです。塩ラーメンのほかにも、しまなみの郷土料理であるイギス豆腐や地鶏を使った餃子などで、舌と胃袋で瀬戸内を感じることができました。

写真は「伯方の塩ラーメンと貝飯のセット」で950円。
さんわ 伯方島本店
愛媛県今治市伯方町木浦甲1650-1

大島(おおしま) 心が震える絶景との出会い

亀老山展望公園からの瀬戸内海の眺め。ドラマや映画のロケ地としても使われた大島の名所です。

しまなみ海道の最後の島は、大島。伯方・大島大橋の自動車専用道路に並行する、歩行者と軽車両用の道路でサイクリストたちが気持ちよさそうにペダルを漕ぐ姿が目に入ります。リフターの後席を倒せば自転車を楽に積むことができるので、次回は「リフター+自転車」の6輪旅もいいかもしれません。リフターの荷室は、タイヤのホイールハウスの張り出しがないので、今回の旅でも重宝しました。ちなみに自転車や歩行者は、伯方島と大島の間に位置する見近島という無人島に降りることができます。
大島で目指したのは、島の南端に位置する亀老山展望公園。こちらから望む瀬戸内海の美しさは、しまなみ海道のなかでもベストだという声があるのです。はたして、展望台からの眺めは評判通りにすばらしいものでした。夕日が沈み暗くなってからも、展望台では多くの方がじっと動かずに、微妙にニュアンスを変える瀬戸内の姿に見入っていました。
そして来島海峡大橋で四国に渡れば、今回の瀬戸内アイランドホッピングも“完走”です。橋を渡りながら改めて感じるのは、リフターが乗る人にやさしいクルマであるということ。たとえばふんわりと身体を包み込むようなシートのおかげで、ドライバーもパッセンジャーも長時間ドライブが苦になりません。しなやかな乗り心地については何度かふれましたが、室内の静かさや自然なハンドルの手応えなど、あらゆる点で人間の感性に寄り添うようにつくられています。
よく出来た機械であると同時に、どこか生き物のようなやわらかさを感じさせるリフター。もっともっと遠くへ、地平線の彼方を目指したくなるクルマでした。

  • ※取材車両は、すでに販売が終了した限定モデルのプジョー・リフターGT Line First Limitedです。
    この車両のボディカラーは、現行ラインナップには用意されていないことをご了承ください。

photo=Hidehiro Tanaka